13.ご飯…。
嫁の凄いところは、ご飯をパパっと作ってくれることだ。
とくに出会った頃の、嫁の包丁さばきには目を奪われた…
嫁に「何故そんなに器用に料理をこなすのか?」質問したことがある。
嫁は自分の料理センスを、両親共に仕事が忙しく、家族のご飯の支度をやってたことに由来していると答えた。
確かにうまい。
味もさることながら、素早く調理が終わってしまう。
さらに、あり合わせのもので私の友達の空腹を満たしてくれることもあった。
まさに、理想の女性である。
そんな、彼女が好きだった。
私も、昔うどん屋でバイトした経験を生かして海老天ソバを年越しに作ったことがある。
海老の筋を切り、伸ばした後に天婦羅粉にくぐらせ、サッと油の中に放り込む。
天婦羅粉を海老の周りに散らし、フワッと衣をまとわせる…
イメージは、完璧だったのだが、
実際はグチャグチャで、終いには、海老が切れて流しに落下する始末だ…。
あのとき、嫁もキャッキャ笑って私をバカにしていた。
あの頃が懐かしい…。
もちろん、嫁の料理の腕は更に上達している。
安い食材を巧みに使い、家計に優しい美味しいご飯を毎日作ってくれる…。
感謝してはいるが、黙って食べるだけで
妻に感謝の言葉を掛けることは無い…。