12.初めてのクリスマス…。
嫁と出会って初めてのクリスマスが来た…
その当時、バブルは弾けていたものの、世の中はまだ浮かれていたと思う…。
現に、私も田舎のマハラジャに遊びに行くことがあったし、都会では、ジュリアナが全盛期だった…
また、当時庶民の間では、金を身に着けることが流行っており、私もその流れに身を任せ、ブレスレット20グラム、30グラムのネックレスをクビにかけ、『無理矢理』背伸びした学生生活を送っていた。
今思うとかなり滑稽である…。
そんな2人に、初めてのクリスマスがやってきた。
プレゼントは、事前に希望を提案し、確認している…。
私は、嫁の希望である指輪を探すべく、銀座ジュエリーマキに数回足を運んだ。
嫁も一緒に指輪を見たりしながら、好みの指輪を確認した。
クリスマスの数日前、私は嫁の好みであろう指輪を購入し、部屋の片隅に隠してその日を待っていた…
そしてクリスマスイブ当日を迎えた。
私は学生のため、早々に彼女の家に帰宅し、彼女の帰りを待っている。
その日彼女は、残業でかなり帰りが遅く、疲弊した状態で帰宅した…。
私は待ってましたとばかりに、プレゼントをポケットに忍ばせ、「近くのファミレスに行こう。」っと提案した。
彼女は制服のまま、私を助手席に乗せ近くのファミレスに向かった…
ファミレスに着き、メニューから適当な注文をした。
注文してから料理が到着するまでの間に、私はポケットから指輪を取り出し、彼女に差し出した。
すると、
彼女は、会社での疲れと相まって、涙を流して喜んでくれた。ほんとに素敵な思い出だ…。
後日談として…
指輪のデザインが彼女の希望するものでは無かった…間違えたのだ…
私は慌てて「大至急交換して下さい!」っと購入先に連絡をし、
無事、別の指輪に取り替えてもらった。
今でもその指輪は、箱の中に入っておりその指輪を目にすると、当時のことを思い出す…。